「創造技法」とは、技術開発や広告制作の現場で実務的に使用されてきたアイデア開発メソッド、マーケティングや経営分野で分析用に考案されたフレームワークのことです。
企業の研修、マーケティング実務では多用されていますが、大学教育の場で学生はほとんど接する機会がありません。
東京富士大学経営学部の山川悟ゼミでは、刺激語法・属性列挙法・焦点法・逆設定法・一対連関法・語呂合わせ法・KJ法・アイデアボックス法・スーパーヒーロー法などの発想メソッド、および仮説形成・4P分析・3C分析・ターゲティング・ポジショニング・コンセプト開発・図解表現・ビジネスモデル開発・企画書作成などの企画実務メソッドの実践を行っています。
本カードも、こうしたさまざまな創造技法を組み合わせて考案されました。
それらのエキスをここで紹介します。
1938年頃、米国広告会社BBDOの副社長・アレックス・オズボーンが考案したといわれます。
5~6名単位の集団でひとつのテーマに関して、自由にアイデアを出すミーティングで、創造技法としては最も基本でポピュラー。
個人では偏りがちな視点が拡がり、固定観念にとらわれないアイデアが抽出されます。
「他人のアイデアを批判してはならない」というお約束を守ることが大事です。
視点を転換する切り口となるキーワードを予めリスト化しておき、そのキーワードに基づいて強制発想を試みようとする手法です。
オズボーンのSCAMPERが有名で、そのチェックリストとは「代用」「結合」「応用」「修正」「拡大」「転用」「削除」「再配列」のこと。
「刺激を受けそうな言葉」「日常あまり接しない言葉」「なんかありそうなムズムズする言葉」を多数用意しておきます。
これらをヒントに、強制的に関連性を見つけ出す発想法が刺激語法です。
この「強制型」は、本カードの特徴の一つでもあります。
物語の主人公になりきって、新製品や商品の使い道を考える手法です。
アニメやドラマなどで有名なヒーローを予め抽出し、それらの個性や特徴などをカードに書いておきます。
リーダーから考察テーマヒーローを選び、ヒーローの特徴や、物語設定を最大限に生かしたアイデアを次々と出していくというものです。
特殊解の追究からこそ、尖ったアイデアが生まれてくる、という考え方に基づいた発想法です。
3×3の表の真ん中に課題を、その周辺に思いついたネタをどんどん書き入れていきます。
ただそれだけなのですが、ひとつの課題に対して、多様な観点からものごとを眺めるための方法です。
出たアイデアを中心に、さらにマンダラートを拡大して発想を展開させることもできます。